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2011/02/26 Sat
観光船が停泊する港の道を飛ばす。

IMG_1784.jpg IMG_1777.jpg


潮風はさっきよりだいぶ冷たい。

昼間は以前より暖かくなってきたが、それでも冬の空気はまだ堂々と居座っている。

45号線に合流し、さらに北を目指す。


東北本線と合流すると、海の景色は早々と田園風景に様変わりし、道路沿いの街灯と車のヘッドライト、そして時々光る踏切の赤点滅だけが夕闇を打ち消す。

45号線から346号線に入り、さらに北を目指す。

貨物列車のけたたましい音が周囲を囲む山々にこだまする。

道路の案内板は、車のヘッドライトが照らさないとほとんど見えない。

小高い丘を越えると視界が開け、吉田川という川に架かる橋にさしかかった。

ふと空を見上げると、紫色の空が真上にあった。

川面に映った空が、真黒に翳った大地の中に煌々と浮かびあがっている。

山並みのシルエットの向こう側に茜色の空が広がる。

IMG_1786.jpg


ほどなく周囲は夕闇に包まれ、群青色が塗り重ねられた空に星が輝き始めた。

時間が許せば鹿島台まで行こうと思っていたが、暗く狭い国道は危険なのでここで早々に引き返すことにした。

しかし周囲には明かりがない。

同じ道を引き返すと再び松島海岸を通ることになるが、見通しが悪い上に歩道がないため、自転車にとってとても危険である。

地図で別のルートを探すため、明かりを求めて最寄駅、品井沼に向かった。

IMG_1789.jpg


駅前に商店や家がいくつか立ち並ぶのみで、視界に入るものはたいてい田んぼか林かのいずれかである。

自転車を止めて、古びた駅舎に入ってみる。

まるで時間跳躍(タイムリープ)した気分だった。

建物が古いのもさることながら…携帯電話の普及により公衆電話すら姿を消している今日、テレフォンカードすら使えない赤い公衆電話が窓口の横に寂しそうに佇んでいた。

IMG_1795.jpg


幼い頃、10円玉を入れて遊んで親に叱られた…懐かしい記憶がよみがえった。

駅の中には入れないが、柵の外側から写真をとる。

IMG_1799.jpg


手書きの看板や案内、木造の待合室。

かつては日本の駅周辺は大半がこんな風景だったのだろう、しかし今となっては、そう簡単に出会うことはできない風景であることは確かだ。

列車の音が遠くから聞こえてきた…しかし列車が駅に到着するまでおよそ2分はかかった。

夜という時間は本来、こんなにも静かであるべきものなのだ。

暗闇を照らす眩いヘッドライトが近づき、ブレーキ音を山に木霊させながら列車はホームに停まった。

IMG_1800.jpg


結局、地図をみてもどの道が安全なのかわからず、駅前の商店でチョコレートと菓子パンを調達して出発。

電灯一つない田んぼの中の一本道は車のヘッドライトがなければ道筋が分からない…。

見上げた空はいつの間にかダークブルーが支配し、そこに無数の星が輝いていた。

こんなにたくさんの星を見たのはいつ以来だろうか…夜中の帰り道でもたくさんの星が見えたのだろうが、疲れと落ち込みで上を見上げる心の余裕などなかった。

南に浮かぶオリオン座が春の訪れを告げ、次の瞬間に冷たい突風が冬のかけらをまき散らす。


危うく用水路に落ちそうになりハッと我に返った僕は、横風でふらついたハンドルを全力で握りしめて何とか体制を戻し、ブレーキをかけて止まり、アスファルトのない草地に片足をついた。

いつの間にか残り2つになっていたアルフォートをいっぺんに頬張り、さっきよりずっと重く感じるペダルを踏みしめながら進み、ようやくたどり着いた交差点で左にハンドルを切った。
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